角田さん、いますか!!
ノックしてって。
どうしたの? なんか嬉しそうだね。
今日学校で調理実習があったんですよ!
なので角田さんにもおすそ分けです!
へぇー、ありがとう。
メメちゃんは普通に料理うまいから心配もいらないね。
……ん、ちょっと待って。
なんですか?
それ、人間も食べられる料理だよね?
魔虫なんちゃらとか、魔界植物なんとかを材料に使ってない?
ああ、大丈夫ですよ。
人が食べても死にはしません。
あー……なるほど。
死にはしないのね……。
ちなみに何を作ったの?
あんかけチャーハンです!!
あんかけチャーハンのことをそんな風に説明するんじゃありません。
なんだよ「死にはしない」って。
別の状態異常にはなるみたいな含みを持たせて。
魔界の郷土料理みたいなのが出てくるかと思ったよ。
まぁ、チャーハンならありがたくいただこうかな。
じゃあすぐ持ってきますね!
さっきアマちゃん先輩とカガちゃんにも食べてもらったんですよ。
あ、そうなんだ。
好評だった?
アマちゃん先輩なんか、一口食べたら言葉を失ってそのまま寝ちゃいました。
……そうなんだ。
おいしすぎたのかな。
カガちゃんは?
それが、カガちゃんはいたく気に入ったみたいで、アマちゃん先輩が寝てる間にアマちゃん先輩の分まで食べちゃったんですよ。
そこまで好評だとなんだか恥ずかしいですね。
野暮かもしれないけど、そのチャーハンってどうやって作ったの?
魔界産のお米「いのちしらず」を具材と炒めたんです。調味料から材料まで全て魔界産なので安心ですよ!!
そうなんだぁ……。
(断りづれぇ……)
あ、僕もカガちゃんと食べようかな。
リビングに行くよ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あ、アマちゃん!?
ねぇ、アマちゃんが泡吹いてぶっ倒れてるよ!!
命に別状はありませんよ。
いやまぁ、そこは信頼してるけどさ。
カガちゃん、大丈夫なの?
こんなにおいしいものを食べたのは初めてです!!
メメちゃん先輩、また屋敷でも作ってくださいね!
任せてください!!
……ままよ。(パクッ)
……あれ、意外と……おいしいね。
ですよね!!
うん。エビっぽい味が割と濃くて、確かに新しい味ではあるけど……。
……あ、そういうことか。
どうかしましたか?
次作るときはエビは抜いてあげて。
アマちゃんエビ食べられないんだよね。
アマちゃん先輩はエビにアレルギーがあるんですか?
いや、ないよ。
ただ、アマちゃんってセミが死ぬほど嫌いじゃん。
ちょっと前に僕が「セミってエビの味に似てるらしいよ」って言ってからまったくエビを食べなくなってさ……。
そっか。食べるとこうなるんだ……。
あ、そうだったんですね……。
次回からエビは使わないようにします。
多分、現実の材料で作ってもこうなってたね。
以上。