あ、カガちゃん。
ちょうどいいところに。
え、どうしたんですか角田さん。
こんな時間に。
今、ある人とリモート会議で話しててさ。
カガちゃんもちょっと参加してほしいんだよね。
え……どうして私なんですか……?
私、知らない人と話すのはちょっと苦手なんですが……。
知らない人じゃないよ。
ちゃんとカガちゃんの知ってる人だから。
……????
どれどれ……?
なぁに?
カガが来てるの?
うーん……。
カメラがついていないのでどなたか分からないです……。
本当に私の知ってる人なんですか?
知ってるも何も、相手は大ちゃんだよ。
……?????
大ちゃんならさっき寝るって……。
ほら、角田がちゃんと説明しないから。
この人はね、大ちゃんは大ちゃんでも、10年後の大ちゃんなんだよ。
……ええ!?
どうしてこんなことが!?
この屋敷では僕はなんでもできるからね。
接続してみたら意外とできたよ。
そ、それで大ちゃんは……。
私はカガと同じ20歳だよ。
ユキとカガと同じ大学に入ってるんだ。
……にわかには信じられませんが、角田さんが言うならそうなんでしょう。
それで、カメラはつけないんですか?
うん。
なんかカメラは上手くつかなくて。
なにか聞きたいことがあったら聞きな。
そんな急に言われても……。
あ、あの。
10年後の私はどんな感じなんですか?
えっとね、カガはすごくモテてるよ。
でも、ちょっと優しすぎるからハッキリは断れてなくて結構こじれてるね。
だ、大ちゃん。
口調がなんだか角田さんに似てますね。
ね。
やっぱり長年いたらうつっちゃうのかな。
ははは。
私は全然そんな気はないんだけど。
ちょっと恥ずかしいね。
カガちゃんが見ての通り、繋いだはいいけど、別に話題がなくて困ってるよ。
ちなみに、大ちゃんは10年後も僕とマックに行くからすごく太ってるんじゃないかって予想してるんだ。
なんか失礼なこと言ってるね。
そんなことないんだから。
そうですよ!!
大ちゃんは、ないすばでぃに決まってます!!
……ありがとう。
カガは昔からずっと私のことを肯定してくれるよね。
そ、それは大ちゃんは本当にすごいんですから当然です。
私が今、こうやってみんなと生活できてるのも、思えば全部カガのおかげだったんだよね。
本当にありがとう。
大ちゃんにそう言われるとなんだか照れますね。
あ、ちょっと接続が……。
え、もう終わりですか?
カメラは使えなかったけど、写真だけは送っておくよ。
私の写真しかないけど、カガもすっごく美人なんだからね!
じゃあ!
……ああ、切れちゃった。
あっと言う間でした……。
急に未来の人と話せるとしても全然話題がないね。
次はもうちょっと話題を考えてから繋ごうっと。
あれ、写真は送られてきてますか?
……ああ、これか。
すご。
あの天真爛漫な大ちゃんが大人の女性じゃん!!
……!!
本当に大ちゃんか不安でしたが、ちゃんと大ちゃんですね!!
美人です!!
本当にナイスバディだった……。
え、もしかして未来でも太ってるのは僕だけ……?
不安になってきた。
以上。