角田は起きられない

 

 

(コンコン……)

 

 

 

(ガチャ……)

 

 

 

角田さーん……もう10時ですよー……
そろそろ起きてはいかがですかー……

 

 

ああ、カガちゃん。

起こしに来てくれてありがとう。

 

見ての通り、目覚めてはいるんだけどさ。

 

 

起きられなくなっちゃったんだ……。

 

 

 

確かにお布団は気持ちいいですが、せっかくのお休みですしみんなと一緒に過ごしましょうよ。

 

 

いや、カガちゃん。

僕は布団が気持ちいいから起きないんじゃないんだ。

 

起きられなくなっちゃったんだよ。

 

 

……え、っと……どういうことなんですか?

 

 

どうやら僕は寝ている間に脚をつったらしくてね。

 

寝てる間はいいけど、立とうとするとなんか痛いんだ。

脚つった後って、けっこう痛みを引きずるよね。

 

じゃ、じゃあ、角田さんは……。

 

 

そう。

僕はもう一生起きられないってわけ。

 

今はゴールデンウィークだからいいけど、また終わり際に会社に連絡して、テレワークにしてもらわなきゃ。

 

それと、みんなには簡易トイレを買いだめしておいてほしい。

 

 

 

カガちゃん……。

辛い役を任せて悪いんだけど、みんなにその旨を伝えてくれないかな……。

 

 

 

そ、そんな……角田さん……。

 

 

分かりました! 
私は角田さんのお世話を頑張ります!!

 

 

 

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(ガチャ)

 

 

なに馬鹿なこと言わせてるのよ。
さっさと起きなさい!!

 

 

 

 

へい。

 

 

 

以上。