……あれ、屋敷の鍵がない。
え、どこかに落としたのかな。
仕方ない。
(ドンドンドン)
おーい、誰が帰ってるでしょー!
開けてー!!
……………。
………。
……。
え、誰もいないの?
角田さん、なにしてるんですか。
お、アマちゃんいいところに!
屋敷の鍵をなくしちゃってさ。
アマちゃん持ってるよね?
全く、不用心ですね。
角田さんのせいで鍵を変える必要があるかもしれな……あれ?
どうしたの。
あれ? あれ?
……まさか。
私もなくしちゃったみたいです。
笑顔で言わないでよ。
どうしよう……。
角田さん、アマちゃん先輩、なにしてるんです?
あ、メメちゃん。
私達鍵をなくしちゃったみたいで屋敷に入れないんです。
メメちゃんは渡した鍵をなくしてないよね?
そりゃなくしてませんよ。
鍵は大切に保管してます。
ああ、よかった――ん?
大切に保管してる?
はい。
部屋の缶の中に入れて保管してます。
……今持ってますか?
持ってませんよ。
え、うそ。
メメちゃんいっつも外出するとき鍵持って行かないの?
はい。
外に持ち出したことは一度もないですね。
なんのための鍵なんだよ!!
不用心の塊のような悪魔ですね。
じゃあさ。
メメちゃんが帰ってきたときに鍵が開いてないときもきっとあると思うんだけど、そのときはどうしてるの?
その時は黒魔術で……。
(カチャリ)
この通りです!!
……アマちゃん。
この屋敷の防犯設備はもうちょっと凝った方がいいかもね。
そうですね……いつ他の悪魔が空き巣に入るか分かりませんし。
以上。