ヘアピン角田

 

 

 

 

あれ、角田さんピン使ってるんですか?

 

 

 

うん。

髪が長くなっちゃってね。

 

いつかもこんな時があったんだけど、その時のピンが残ってたから良かった。

 

私達、おそろいですね!!
兄弟みたいです!!

 

 

そ、そうだね。

なんかそう言われるとちょっと恥ずかしいかも……。

 

 

なんでですか!!!
角田さんは私とおそろいだと恥ずかしいっていうんですか!!!

 

 

ああちょっと怒らないで。

せめてもうちょっと声量を落として。

 

 

なんだかやかましいな。

 

 

あ、大ちゃん。

 

 

大ちゃん聞いてください!!
角田さんが私と同じだと恥ずかしいって言うんです!!

 

 

ちょっと意味が変わってきてるって。

 

 

同じ……?
ああ、ヘアピンか。
いいじゃないか。兄弟みたいで。

 

 

私もそう言うんですけど、角田さんが恥ずかしいって!!

 

 

恥ずかしいって、恥じゃないからね。

どっちかというと照れだから。

 

 

うん、まぁ、そんな気はしてたな。
ほら、カガ見ろ。

 

 

 

 

あれ、大ちゃんもヘアピン……。

 

 

これでおそろいだな!!

 

 

…………。

 

 

……はい!!

 

 

……置いてかないでー。

 

 

以上。