お、大ちゃんがホノちゃんに耳掃除してもらってる!
大和が痒いって言うからね。
ああそうか。
爪の時と一緒で、蛇の時になかったから掃除が怖いのか。
大ちゃんどう?
痛い?
ちょっと、痛いわけないでしょ。
……なんか、これから痛くなりそうな気がしてる。
え、優しくやってるわよ!?
いやいや、きっと今は痛くないんだけどさ。
耳掃除を他人にしてもらってるあるあるだと思うんだけど、妙に「痛くなるかもしれない」って不安感があるんだよね。
大ちゃんはそれと戦ってるんだよ。
その通りなんだ。
気持ちいいけど、もう少し加減が違ったら多分痛いんだ。
耳って結構敏感だし、大事な器官だからね。
あたしが終わったら角田もどうだ?
仄は上手なんだ!
えー……。
…………。
ほら、ホノちゃんもなんだか嫌そうな顔してるし……。
あんたの耳掃除をするのは別に嫌じゃないわよ。
ただ、16歳の女の子に耳掃除してもらう26歳男性がちょっと嫌なだけよ。
複雑な心だね。
まぁ、ただ今回は僕もちょっと遠慮したいところなんだ。
昔お母さんに耳掃除してもらって、すごく痛かったことがあってさ。
それ以降人に耳掃除してもらうのはめちゃくちゃ抵抗があるんだよね。
耳の中は自分じゃ見えないし、自分で掃除するのは怖くないか?
いや、背中を掻くのと一緒かな。
痒い場所は大体分かるし、見えなくても掻けるでしょ。
確かにそうだな!
今度あたしも自分で耳掃除してみようかな!
こら、余計なこと言わないでよ。
大和の耳掃除ができなくなっちゃうじゃない。
ああ、ホノちゃんはやりたい側なのね。
以上。