どうも、角田です。
今日はユキちゃんとお話しようと思います。
……え、ユキちゃんは無口でお話できないんじゃないかって?
ご安心ください。
今日はユキちゃんの同意のもと、おしゃべりしやすくなる薬を飲んでもらっています。
……今日は全然恥ずかしくない。
ユキです。
もしかしたら、この薬の名前は自白剤なのかもしれませんね。
ところでユキちゃん、身体の具合はどう?
なにか不便はない?
うん……ない……かな。
……すごく嬉しい……。
そりゃ良かった。
でも……。
でも?
もう隠れる場所が少ない……。
あー。
マムシの時よりは大きくなっちゃってるからね。
今まではカガちゃんのフードの中とかにいられたけど、今はそうもいかないもんね。
また仄に見つかっちゃう……。
まぁまぁ、そんな邪見にしないで。
普通はそんなに可愛がってくれる人はいないんだから。
僕が可愛がってほしいくらいだよ。
じゃあ、角田にあげる……。
こら。
ホノちゃんの気持ちは無下にしちゃだめだよ。
あ……そういえば……。
どうしたの?
もう雨海が驚いてくれなくなった。
つまんない。
そりゃね……。
もう可愛い女の子だもん。
威嚇しても可愛い。
ユキちゃんと話すときに毎回この薬を使わなきゃいけないのは大変だな……。
それに多分副作用とかで身体にも良くないと思うし……。
と思って、こんなものを用意しました。
……なに、これ。
これは伝統的な意思伝達装置だよ。
いろんな都合上、喋れない人たちが用いたんだ。
プラカードともいうよ。
ほら、ここに文字を書いて……。
【なんだかエリザベスみたい】
これなら喋らなくても言いたいことが分かるよ。
なんか、エリザベスっていうより早乙女玄馬だね。
以上。