肩叩き券

 

 

 

ねぇ大ちゃん。

 

んあ。
どうした角田。

 

 

これ、使いたいんだけど。

 

角田さん、それなんですか?

 

これ?

 

これはこの前の父の日に大ちゃんがくれた肩叩き券だよ。

 

(角田感激)

 

あ、父の日にもらったんですね。

 

 

角田はあたしたちのお父さんみたいなものだからな!

 

 

僕は感激しちゃって、大ちゃんをマックに連れて行ったよ。

 

あ、そうですか。

 

 

で、ほら、肩叩き券。

 

…………。

 

 

……今はちょっと面倒くさいな!!

 

 

えっ。

 

えっ。

 

 

今日はあたしのシフトじゃないんだ。
今日は雨海の日なんだ。

 

 

え!? そうなの!?

 

そんなわけないじゃないですか。
肩叩きのシフトってなんですか。

 

 

え~、アマちゃんもこう言ってるしさ~……。

 

頼むよ大ちゃん。

 

 

仕方ないやつだな。
ちょっとだけなんだぞ。

 

 

 

気分でちょっとだけにしないでよ~。

 

 

あたしはあげた日に使ってほしかったんだけどな。
岩とか木を叩いて練習してたのに。

 

 

……とっておいて良かった。

 

僕の痛みと一緒に僕の肩がなくなるところだった。

 

 

でも、私が叩くよりも力強くていいと思いますよ。
男性の肩こりは非力な私じゃびくともしませんし。

 

 

いや、実を言うとそんなに肩はこってないんだけど、こう、なんか充実感を得たくてさ。

 

 

……やさしくやってやるんだ。

 

お、大ちゃんはやっぱり優しいね。

 

以上。