カガちゃん。
なにしてるの?
あ、角田さん。
今日はお天気がいいので、お布団を干そうと思いまして。
ああ、そうだったの。
僕の布団も干そうかな……って、カガちゃん。
それ、敷布団じゃない?
カガちゃんはベッドだったよね?
あ、そうです。
これは私のじゃなくて、ユキちゃんのお布団です。
あ、ユキちゃんって布団で寝てたっけ。
ベッドじゃなくて。
角田さんはおかしい人ですね。
ユキちゃんの部屋は和室じゃないですか。
……あー。
そうだったね。忘れてた。
ユキちゃんはこっそり文句とか言ってない?
実はベッドがいい、みたいな。
いえ、私は聞いてないですね。
……ユキちゃんなら、角田さんに直接言いそうですけどね。
ああ、それもそうか。
でも、毎日布団を畳んだり出したりするのは大変そうだね。
えー……ユキちゃんはずっとお布団を敷きっぱなしにしますよ……。
……あー……万年床ねー。
だからカガちゃんがこうやって干してるのか。
お布団を敷きっぱなしにすると湿気が溜まるでしょう?
私達蛇は湿気が好きなので万年床はかえって寝心地が良くなるんですが……。
やっぱりカビは怖いですし、ユキちゃんには清潔なところで寝てほしいので。
カガちゃんはやっぱり優しいね。
………あれ、でも僕が前ユキちゃんの部屋に行った時は布団は敷かれてなかったよ?
はい。
ユキちゃんは押し入れにお布団を敷いて寝てるので……。
あー、出すのが面倒になっちゃったか。
合理的っちゃ合理的なのか。
生活する分には布団が邪魔にならないし。
なんかドラえもんみたいな感じで寝てるんだね。
ユキちゃんは狭くて暗いところが好きなので……。
ああ、だからいっつもアマちゃんとソファの間に挟まってるのね。
ソファに寝てる先客のユキちゃんに構わずアマちゃんが寝てるのかと思ったよ。
(アマちゃんとソファに挟まるユキちゃん)
以上。