角田さん!! いますか!!
(ピー、ピー、ピー)
なに? ノックくらいしてよ。
あ、それはすみません……。
それで、大変なんですよ!!
この屋敷、幽霊がいるんですよ!!
(ピー、ピー、ピー)
大変って言うか、もう既に座敷童と悪魔と蛇がいてお化け屋敷状態なんだけど。
今更幽霊? って感じ。
というか、メメちゃんがそんなことで慌てるなんて珍しいね。
なんならメメちゃんが一番動じなさそうなのに。
どうかしたの?
それが、一体じゃないんですよ。
この屋敷中にうじゃうじゃいるんです!!
(ピー、ピー、ピー)
え、なに? そんなにいるの?
……ってか、メメちゃん、さっきから何か鳴ってるよ。
これは魔界のドン・キホーテで買った幽霊探知機なのですが、屋敷で起動したらずっと鳴りっぱなしなんですよ!!
(ピー、ピー、ピー)
鳴りっぱなしってどういうこと?
これは音の大きさで幽霊との距離を測れるものです。
私が移動しても鳴りっぱなしということはこの屋敷内に幽霊がすし詰め状態になっているってことじゃないですか!!
(ピー、ピー、ピー)
めちゃくちゃシュールだね。
幽霊の同窓会の会場みたいになっちゃってるんだ。
というか、メメちゃん悪魔だけど、そういうのが見えたりはしないの?
残念ながら、幽霊が身を隠したら私でも視認できません。
(ピー、ピー、ピー)
メメちゃん、それうるさいからいったん切って。
失礼しました。
(ブツッ)
で、僕たちはどうすればいいの?
というかもう見えないから気にしなくてもいいんじゃない?
そんな!! ここは私達の屋敷ですよ!!
知らない人がいると思うと緊張しちゃいます!
メメちゃんそんな人見知りだっけ。
……まぁいいや。
メメちゃんとしては幽霊を祓いたいんだね。
今まさに満員電車状態と考えるだけで鳥肌が立ちます。
角田さん、なんとかしてください。
なんとかって言われてもなぁ……。
とりあえずその探知機貸して。
本当にそんなにいるの?
(カチッ)
…………。
………。
……。
……鳴らないね。
え、そんなはずは……。
(ピー、ピー、ピー)
あれ?
ねぇこれ、メメちゃんに反応してない?
そ、そんな……私が幽霊だったなんて……。
いや、多分悪魔にも反応するんじゃない?
悪霊みたいな括りで。
むぅ……なんだか納得できませんが……。
ありがとうございます……お騒がせしました……。
(バタン)
最も、そんなに幽霊がうじゃうじゃいるなら、イラストを置いておくだけでまた新キャラができちゃいそうだなぁ。
別に、予告でも伏線でもなんでもありません。
以上。