最近の話ではありません、中学生の時の話です、角田です。
どうしてあんなに怖い物に進んで乗っていくのか分かりません、アマちゃんです。
僕も昔はそう思ってたんだよ。
言っちゃえばすごく速い車に乗って楽しいの? って思って小学校の時は何となく避けてました。
転機は中学時代。
遠足で遊園地に行った際になんとなく避けられず、気づけばジェットコースターの座席に座っていました。
なんとなく死地に向かう姿が角田さんらしいです。
テレビでよく見た光景、カタカタと不安を煽る音、地上からはどんどん離れて逃げ道がなくなって――
落ちたその瞬間。
あれ、思ったより速くないな……。
そんな拍子抜けの気持ちが先行し、呆気にとられている間に再び地上へ。
そんなことはありません。めちゃくちゃ速いです。
私も乗ったことがあるから知ってます。
うん? 降りてみると結構ふらつくし、やっぱり結構速かったんじゃないか?
という疑問が湧き上がり、もう一回乗りたいという友達と共にもう一度乗り込みました。
なんですかその疑問。
「やっぱり思ったより速かった」ってなったらどうするつもりなんですか。
いや、なんというか。
僕は信じられなかったんだよね。
僕が恐れおののいてたものがこんなものだったなんて。
だから逆に「頼むから思ったより速くあれ」と願いながら座席へ。
登っていくときの緊張感は想像通り。
てっぺんに到着して、いつ落ちるんだろうっていう不安感にも満足。
ただ、再び落下したとき。
……。
……。
やっぱあんま速くねぇわ。
やはりその感覚が先行して、落下した数秒後に虚無感に包まれました。
そして、その日僕は何度もそのコースターに乗ったとさ。
いや、「そして」じゃないですよ。
どうしてそうなるんですか。
あの「やっぱりそんなに大したことないな」って感覚が癖になっちゃったんだ。
もうひと工夫で僕をビビらせてみろよって、なんだか気が大きくなってた覚えがあります。
本当に角田さんは「キ」ですね。
以上。