なー角田。
なに、大ちゃん。
また爪が伸びてきたんだ。
ああ……まぁ、伸びるよね……。
切ってほしいの?
お、角田はあたしの心が分かるんだな!!
これが「家族」なんだな!!
……いやまぁ、週一で爪切ってほしいって言われてれば分かるよ。
もう断るのも面倒になっちゃった。
これであたしは角田という最高の爪切りを手に入れたわけだな!!
今、家族から爪切りにランクダウンしたね。
僕は見逃さないよ。
あ、今日は足の爪も切ってほしいんだ!!
はいはい。
……来週爪切りたいときさ。
一回ホノちゃんに頼んでみない?
えー……。
怖いからやだ!!
怖いかなぁ。
ほら、耳掃除はホノちゃんにしてもらってたことあるじゃん。
耳掃除はしてもらったけど、爪は切ってもらったことがないんだ。
いやそうなんだろうけどさ。
一回切ってもらったら安心するよ?
えー。
やだな。
そもそも僕が大ちゃんの爪を最初に切ったときは怖くなかったの?
そりゃ怖かったぞ。
手がなくなっちゃうかと思ったんだ。
……あー、でもなんか思い出してきた。
半ば強引に切った気がする……。
これからもあたしの爪を切ってな!!
未来大ちゃんに、今は爪が自分で切れるか聞いておけばよかった。
以上。