角田さん、その後ユキちゃんとはどうですか?
うーん……噛まれてはいないけど、相変わらずって感じだよ。
あ、しっぽで叩いてくることがよくあるかな。
そうですか……。
角田さんのことなので、少し一緒にいれば仲良しになると思ったのですが……。
そう上手くも行きませんね。
いやぁ……なんだか面目ないね。
そもそも僕、ユキちゃんのことをよく知らないからなぁ。
……あ、そうだ。
前々から疑問だったんだけど、ユキちゃんの呼び名ってカガちゃんが付けたの?
はい。
私が付けましたよ。
大ちゃんは大きかったから「大ちゃん」ってのは分かるんだけど、どうしてユキちゃんは「ユキちゃん」なの?
白いカガちゃんが「ユキちゃん」なら納得できるんだけど……。
それはですね……。
私たちが雪の日に出会っていたことに関係します!
あ、そうなんだ。
というか、カガちゃんよく雪の日に出かけてたね。
いやぁ、命がけでしたよ。
例年よりすごく早く雪が降った日なんですけどね。
冬眠しそびれてたユキちゃんが雪の上で凍っていたんです!!
ほう。
いきなりクライマックスだね。
ユキちゃんが絶体絶命の時に出会ったんだ。
凍ったユキちゃんを私達で温めたり、大ちゃんが一時的に呑み込んで氷を溶かしたり……。
それでなんとか助かって、今のユキちゃんがいるのです。
あ、それで氷みたいに冷たかったのと、雪の日だったから「ユキちゃん」って?
そういうことです!
なるほどねぇ……。
ユキちゃんもちょっと抜けたところがあるんだね。
普段はそんなことないんですけどね。
たまのうっかりが致命的なタイプだ。
以上。