角田さん!!
屋敷の中に蛇がいます!!
いるね。
カガちゃんと大ちゃんも蛇だよ。
違うんですよ!
本当のニョロニョロした蛇がいるんです!!
あ、そうなの?
噛まれたら大変だね。
カガちゃんと大ちゃんになんとかしてもらえないかな。
昨日からおもち785号が見当たらないんですよ!
きっと食べられちゃったに違いありません!
おもち……ああ、ネズミのことか。
というかネズミ多くない?
よく一部屋で足りてるね。
それを把握してるメメちゃんもすごいな。
とにかく、蛇をなんとかしましょう!
このままでは私の友達が全滅しちゃいます!!
全滅はしないだろうけど……まぁ、対処はしなきゃだね。
~~~~~~~~~~~~~
(コンコン)
(ガチャ)
カガちゃん、ちょっといい?
いいですよ。
どうしました?
あれ、メメさんもいるんだ。
ああ、大ちゃんもいるのね。
あの、カガちゃんと大ちゃんにお願いしたいことがあるのですが……。
なんだなんだ?
メメさんの頼みなら頑張るぞ!
そうですね。
私たちにできることであれば。
どうやらこの屋敷に蛇が侵入してるみたいなんだよ。
ニョロニョロした蛇。
…………!!
……あー……。
ちなみに、どんな蛇だったんだ?
茶色の斑点があるちっちゃい蛇です!
なるほどなー……。
え、その反応気になるんだけど。
何か知ってる?
なぁ、流石にもう言った方がいいんじゃないか?
そ、そうですよね……。
……あの……角田さん。
その蛇、私の友達なんです。
あ、そうなの?
遊びに来てたんだ。
あの……それが……。
遊びに来たわけじゃなくて、カガの部屋に住んでるんだ。
え、そうなんですか?
黙っててごめんなさい……。
え、じゃあ今この部屋にいるの?
います……。
ユキちゃん……。
出てきてください。
うわ、本当に出てきた。
メメちゃん、この蛇?
は、はい……間違いありません。
でもどうして?
言ってくれればいいのに。
だって……ユキちゃんには毒もありますし……もしダメって言われたらもう一緒に住めないと思ったら……。
ごめんなさいなんだ。
大ちゃんって猛獣がいたのに、今更毒を理由に追い出したりしないよ。
角田さんは私の大切な友達を追い出そうとしたじゃないですか!
だってあれは実際に被害が出てたし……。
今回も被害は出てますよ!!
あ、そうだ。
ユキちゃんはこの屋敷内のネズミを食べた?
なんか昨日から一匹行方不明の子がいるみたいなんだけど……。
おいユキ!
この屋敷の生き物は食べちゃダメって言っただろ!
よりによってメメさんの友達食べたのか?
ユキちゃん、食べちゃったんですか……?
…………。
食べてないそうです。
嘘つくんじゃないぞ!
お前は食いしん坊だから――
いてっ!!
くっそー。
噛みやがったんだ。
大ちゃん普通に蝮に噛まれたけど大丈夫?
大ちゃんなら大丈夫です。
よく噛まれてるので。
でも、ユキちゃんが食べてないならおもち785号は一体……。
あ、おもち58号。
勤務お疲れ様です。
……報告ですか?
おもち785号が見つかった!?
ソファーの隙間に挟まっていたんですか!?
寝てただけで無事なんですね。
…………。
ユキ、本当に食べてなかったんだな。
大ちゃん同様、ちゃんと判別してたみたいだね。
いやー、お騒がせしました。
でも、今の問題はユキちゃんだよねー。
まぁ、分別つく子なら問題ないんじゃないですか?
さっき聞いた話だとユキちゃんは子ネズミに人気みたいですし。
すご。
この屋敷では天敵もアイドルになれるのか。
夢があるね。
え、じゃあ……。
ユキちゃんが住んでも問題ないでしょ。
ただ、部屋はカガちゃんの部屋ね。
ネズミは数が多すぎるから一部屋与えてるけど、さすがに一匹に対しては広すぎるから。
分かりました!
ありがとうございます!
良かったな!
あ、屋敷は自由に動いていいけど、色々気を付けてね。
僕達も気を付けるけど踏んじゃったりするといけないし。
あと、僕とアマちゃんには噛みつかないでね。
大ちゃんと違って大変なことになりかねないから。
ちょっと!
私もか弱い女の子です!!
雷に打たれて平気な悪魔が何言ってんの。
それは大丈夫だ。
メメさんに噛みつくおバカは自然界にそうはいないぞ。
分かりました。
これでユキちゃんも屋敷の仲間です!!
座敷童、悪魔、白蛇、アナコンダ、大量のネズミ、蝮……。
大所帯になってきたね。
私もいるよ。
以上。