取捨選択

 

大ちゃん、ちょっと部屋を片付けたいんだけど手伝ってくれない?

 

 

ああ、いいぞ。
お片付けは大事だからな。

 

とはいえ、何がいるかいらないかパッと浮かばないから、適当に目についたものを持ってきてくれない?

いるかいらないか指示するからさ。

 

分かった!!

 

じゃあ、始めようかな。

 

角田、これいる?

 

液タブじゃん。

いるいる。今一番いるよ。

 

でも、こういうことだろ?

 

うん。そういうこと。

どんどん持ってきて。

 

角田、これは?

 

ちっちゃい黒板か……これはいらないな……。

よく考えると、これ必要だった時がないね。

 

じゃあ、この水は?

 

あー、化粧水か。

一時期保湿してるときに使ってたけど……もういらないかな。

必要になったらまた買うよ。

 

この黒いノートは?

 

それはもう必要ないかな。

 

これは?

 

それ僕のメガネじゃん。

夜かけるからいるよ。

 

(ガチャ)

 

角田さん、そういえば言ってなかったことが――

 

あ、角田。
これは?

 

これ!?
これって私のことですか?

 

あー、アマちゃんかぁ……。

いるかなぁ……。

 

なんだかすごく傷つけられた気がするんですが。

 

大ちゃん、冗談だよねー。

 

ねー。

 

全く……仲がよろしくていらっしゃいますね。

 

 

以上。