なー角田。
ん、どうしたの大ちゃん。
……何か持ってる?
この板すごいだろ!
ガラスみたいに透明なんだぞ!
ああ、アクリル板ね。
コロナが始まってどこでも見かけるようになったよね。
ってかでかくない?
大ちゃんの身長くらいあるじゃん。
こんなのどうしたの?
拾った。
大ちゃんよく「拾った」っていうけど、本当に捨てられたものだよね?
店の中に落ちてたとかじゃない?
屋敷の前で拾った。
……まぁ、意味わかんないけどそれならいいか。
で、大ちゃんそれをどうするの?
なにか使う予定があるの?
????
ないのね。
めちゃくちゃ大きいし、いらないなら元の場所に戻してきなさ――いや、待てよ。
大ちゃん、それ持って廊下まで来て。
分かった!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なー角田。
何してるんだ?
アクリル板が倒れないように固定してるよ。
なんで?
ちょっとしたイタズラをね……。
よし。
じゃあ、電話でアマちゃんを僕の部屋に呼びます。
ほら、大ちゃん隠れてて。
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いいところだったのに、面倒な人ですねぇ……。
用事があるならリビングまでくればいいのに……。
(ゴンッ)
あいたっ。
え、壁……?
あはは!
雨海が引っかかってるんだ!!
大ちゃん、まだまだこれからだよ。
え、角田さんに大ちゃん。
もう、一体なんですかこれは。
アマちゃんアマちゃん。
あれやってよ。
範馬勇次郎が防弾ガラスを突破するやつ!!
いや無茶ぶりにも程がありますよ。
突破できても大けがです。
二重の意味で?
お、大ちゃんうまいね。
以上。