カガちゃんと大ちゃんのケンカ

 

 

角田さん、アマちゃん先輩……。
黒ひげ危機一髪中に申し訳ないですが、相談があるんです……。

 

 

お、カガちゃん。

どしたの。

 

(カチッ)

 

私の読みではここで角田さんが負けるはずなのに……!
ここで負けたらアイスを買ってこなきゃいけません……!!

 

カガちゃん、私達で良ければ相談に乗りますよ!

 

(カチッ)

 

うわー、また回ってきた。

次当たりそうで怖いな……。

 

それで、相談って?

 

(カチッ)

 

おー……セーフ……。

 

 

それが……あの……。

 

 

(カチッ)

 

さあ、残る穴は3つです。
さ、角田さん、アイスを買ってきてもらいますよ。

 

分かってるよ……。

 

あの……実は私……今日……。

 

ここだ……。

 

(カチッ)

 

大ちゃんとケンカしちゃったんです……。

 

(ポンッ)

 

 

…………。
え……。
大ちゃんと、カガちゃんが……ですか?

 

……うそでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

角田さん、すいません。
私もアイスを貰っちゃって……。

 

いいよいいよ。

 

それで、何があったの?

 

そうですよ。
あんなに仲良しの二人がケンカなんて……。

 

あの……私が悪いんです。
最近、大ちゃんがクラスの他の子たちとばかり遊んでいて、それで……私、なんだか嫌な気持ちになっちゃって……。

 

4時間目にグループを作るとき、大ちゃんが私の所に来てくれたんですけど……。
私、「大ちゃんは○○ちゃんと一緒になればいいじゃないですか!」って言っちゃって。

 

なるほど、それでムッとした大ちゃんはその子とグループになったんだね。

 

そうなんです。
私、すぐに謝ろうと思ったんですけど、大ちゃんはこっち見てくれなくて、私、大ちゃんに嫌われちゃいました……。

 

よしよし。
大丈夫ですよ。
大ちゃんも今頃同じ気持ちでいるはずです。

 

 

私、変なんです。
大ちゃんがクラスに馴染んですごくうれしかったはずなのに……。

 

カガちゃんは大ちゃんが大好きなんだね。

別に変じゃないよ。

独占欲は程度は違えどありふれたものだし。

 

それに、アマちゃんの言った通り、大ちゃんも同じ気持ちだよ。

 

でも、大ちゃんはそれから一言も喋ってませんし、こんなこと初めてですし……。

 

まぁ、本人に聞くのが一番早いですよ。

 

え?

 

 

それでは、どうぞ!!

 

 

 

 

 

 

ほら、大ちゃん。
カガちゃんに言いたいことがあるんじゃないですか?

 

 

 

あ、カガ……。

 

 

大ちゃん……。

 

 

 

 

 

カガ、ごめんな。
よく考えたら、優しいカガが理由もなく冷たくなるはずないもんな。
あたしが何か嫌なことをしちゃったんだよな?

 

 

大ちゃん、違うんです。
大ちゃんが他の子と仲良くしてるのが……なんだか……ちょっと……。

 

 

カガちゃんは大ちゃんの一番のお友達でいたいんですよ。
それを取られてるような気がしちゃったんですよね?

 

 

はい……そうなんです。
だから、大ちゃんは何も悪くないんです。
ごめんなさい……。

 

 

おお、これが女の嫉妬……。

 

メメちゃん、静かにしてて。

 

 

 

確かに近頃他の友達も増えてきて、カガと遊ぶ時間が減っちゃってるけど……。

 

あたしの親友はカガだけなんだぞ!!

 

大ちゃん……。

 

 

 

ガーン。
私は親友じゃない……。

 

メメちゃん、黙ってて。

 

 

はい、じゃあ仲直りです!

 

大ちゃん、明日は私も他の子と遊んでみたいです。

 

もちろんだ!!
みんな、カガとも遊んでみたいって言ってたぞ!!

 

 

これで一件落着ですね! 角田さん!
……角田さん?

 

 

 

ほらメメちゃん元気出して。

僕はメメちゃんの親友だから。

親友にはアイスもあげちゃう。

 

本当ですか?
角田さんは私の親友でいてくれるんですね?

 

そうだよ。

今度遊びに行こうね。

 

 

じゃあ……魔界の地獄園も行ってくれるんですか?

 

え、あ……。

い、行く行く! 親友だもんね!!

 

 

じゃあ、また日取りを決めましょう!!
角田さんに地獄というものがどういうものか教えてあげます!!

 

や、やったぜ……。

 

 

 

まぁ、こっちも一件落着でしょう。

 

以上。