カガちゃん、そんなに怖がらないで……

 

~リビングにて~

 

(棚の上のスプレー使いたいなぁ)

 

スッ

 

 

(ビクッ)

 

 

え、カガちゃん、どうしたの。

 

 

角田さん、ごめんなさい。
叩かないでください……。

 

 

いや叩かないけど!?

僕は棚の上のスプレーを――

 

角田さんが手を上げただけでこの反応……。
これは日常的に暴力をふるってる証拠ですね……。
児童相談所に連絡します。

 

いやいやいや、見たことないでしょそんなシーン。

 

メメちゃんが屋敷で怪しげな儀式をしたときですら手をあげてないのに。

 

 

 

うぅ……。
角田さん、今日は叩かないでくれるんですか?

 

 

 

叩いたことないって!!

アマちゃんもそんな目で見ないでよ!!

 

 

でも、角田さんとカガちゃんのどっちを信じると言われたら……。
ねぇ?

 

ねぇじゃないよ。

 

こうやって冤罪が生まれていくんだね。

 

カガちゃんもどうしたの?

学校でこういうことがあったの?

相談のるよ?

 

 

 

 

いえ、角田さんが困ってる姿を見たくて……。

 

誰だよカガちゃんをこんな悪女に育てたやつは。

アマちゃんも笑ってんじゃないよ。

 

いえ、カガちゃん珍しいなと思いまして……。
でも、カガちゃんとの距離が縮まった実感がありますね。

 

まぁ、確かに。

前のカガちゃんはどこか怯えてる感じがしたからね。

安心したっちゃ安心したかな。

 

今度角田さんと出かけた先でもやります。

 

確実にお縄ですね。

 

絶対にやめてください。

 

以上。