どうも、戦場帰りの角田です。
角田さん以外とはケンカをしたことがありません、アマちゃんです。
アマちゃんって秘密基地って作って遊んでた?
あ~、憧れはしましたけど、実際に作ったことはありませんね。
そもそも人通りの少ない「秘密の場所」がなかったので作らなかったというか作れなかったんですよね。
しいて言うならばこのブログが私の秘密基地でしょうか。
人通りが少ないって言わないでよ。
まぁ、秘密の場所って結構難しいよね。
路地を抜けた先の空き地とか草が生えっぱなしの平地とか高架下とかね。
かくいう僕は近所の森に作ったんだ。
いいですね。
それで、流石に一人で作ったわけじゃないんでしょう?
どんなメンバーだったんですか?
僕の兄弟と友達とそのお姉ちゃんだよ。
その友達は森の近くに住んでたから集まりやすかったんだよね。
僕は小学校3年生だったかな?
その森の巨木がちょうど建物みたいになっててさ、そこで一年くらい遊んでたかな。
あー。
秘密基地って廃材を集めて建築するイメージありましたけど、それなら崩れる危険とかもなくて良いですね。
でも、秘密基地を作って何をしていたんですか?
そこでできるのは木登りとかくらいでしょう。
うーん、なんというか。
武器の製造を主に行っていたよ。
あなたの秘密基地は第何サティ〇ンなんですか……?
いやいやいや、銃火器とかは流石に作れないよ。
太い枝が斬り落とされてたのを拾い集めたりとか、蔓としなる枝で弓矢を作ったりとかかな。
枝で作ったとしても弓はケガしそうですね。
どうしてそんなことをしていたんですか?
別に戦う相手がいたわけではないんでしょう?
戦う相手がいなくても、男子小学生は皆武器に憧れは持つものだよ。
ただ、僕達には明確に戦う相手がいたんだけどね。
…………。
まさか、その弓を人に向けたことがあるんですか?
それはないから安心して。
相手は僕らの一つ上の学年の男子小学生6~7人。
同じく森で遊んでてて僕らの秘密基地を狙って遠くから襲撃されたのをきっかけに闘いが始まったんだ。
とはいえ、実際に戦闘があったのは最初の襲撃の時だけ。
いつも通り秘密基地ですることもなく喋ってたら遠くからBB弾が飛んできてさ。
そっちを見ると、そのグループがエアガンを持って遠くからこっちに発砲してたんだ。
当初武器なんか何も持ってない僕らは為す術なく自宅に撤退したよ。
ああ、それで対抗策として武器の製造を始めたんですね。
そう。
僕らがその秘密基地にいた時は決まって別の木にたむろってたそのグループを何とか森から追い出そうとして始めたんだ。
エアガンとか普通に高いし、「上級生を威嚇したいから買って」なんて言って買ってもらえるわけはないからね。
そりゃそうでしょう。
でも、よく武器を作って人に向けずに留まれましたね。
人が人なら迷わず殲滅しに行きそうですけど。
僕らが作った試作の弓の威力が想像以上でね。
拾った木の板を的にしたら普通に穴が空いて「とんでもないものを作ってしまった……」ってメンバー全員蒼白になったんだよ。
まぁ、今思えばその板もかなり腐っててもろくなってただろうし、そこまでの威力じゃなかったと思うけどね。
僕らは道徳的な理由で人に向けなかったんじゃないんだ。
簡単に言っちゃえば学校とか親に怒られるのが怖かったんだよ。
いくら襲撃されたとはいえこっちはけが人はいないし、けがをさせたら悪いのはこっち
になるって分かってたんだ。
まぁ、そんなものですよね。
で、結局秘密基地の争いはどうなったんですか?
あっちが先に飽きてその森に現れなくなったよ。
それでしばらくの平和を楽しんでいたら僕らも飽きてそのうち秘密基地に行くことはなくなったって感じかな。
ある種一番平和的でリアルな結果ですね。
そう。
まぁ、目的があったからその武器製造も結構面白くてさ。
その目的がなくなったから熱も冷めちゃったんだよね。
仮想敵がいるだけで人はこうも凶暴になるんですね。
思えば軍事演習とかもしてたなぁ……。
友達が「武器のすごさを見せなきゃ意味がない」みたいなことを言っててさ。
相手グループの集まりの近くで弓の練習をしたり、ゴムで作った鞭……これで何かを叩くと大きい音がするからそれを聞かせたりね。
ちなみに僕の兄弟はガチャガチャで得た小さな爆竹の地雷を埋めてて、自分で踏んで驚いてたよ。
落とし穴とかも作ってたかも。
片足が脛くらいまで落ちるやつ。
でも、結局それが機能するところを見たくて自分で踏み抜いたりしたし。
っていう威嚇行為というか、「僕らはお前らに敵意があるぞ」ってのを見せてたね。
現在の外交の縮図みたいな感じだったんですね。
今思えば武器を買うお金とかがなくて良かったって思うよ。
中途半端な威力のものを持ってたらそれこそ大事件だったかもしれないし。
そうですね。
ともあれけが人もいなくてなによりでした。
あ、そうだ。
この秘密基地の生活で得られた教訓が一つだけあるよ。
あ、いいですね。
なかなかない経験ですし、どんなことを得られたんですか?
「メモ帳でお尻を拭くと切れるように痛い」
……はい?
これは友達の話なんだけど、お腹が痛くなって仕方なく野グソをすることになったんだけど、ティッシュとかを持ってなくて仕方なく僕の持ってたメモ帳をちぎって渡したんだ。
その後に友達がそう言ってたよ。
そこで初めて「あ、ほぐしてない紙でお尻を拭くと痛いんだ」って気づいたんだよね。
…………。
本当にあなたたちは大馬鹿だったんですね。
そうだよ。
以上。