『砂の王国』ホームレスから始める新興宗教

 

砂の王国(上) (講談社文庫)

砂の王国(上) (講談社文庫)

  • 作者:荻原 浩
  • 発売日: 2013/11/15
  • メディア: 文庫
 

 

 

タイトルでこんなことを言っていますが、宗教を始める気は一切ありません、角田です。

 

f:id:rightuncle:20200721192644j:plain  え、そうなんですか?

てっきり私が角田さんを止める回かと思いました、アマちゃんです。

 

 

これでも古典文学を専攻して仏教的な考えとかを学んできたからね。

まぁ、そうじゃなくてもこのご時世、積極的に妄信するって方が難しいよ。

 

 

f:id:rightuncle:20200723083617j:plain  なんだか安心しましたよ。

角田さんって何かにハマると熱量がとんでもないですからね。

教祖さんに「地下鉄の中で『Ritalin202』を大声で歌えば救われる」とか言われたら本当にやりそうですもん。

 

 

否定できないのが悔しいとこ。

 

ただまぁ、興味がないわけじゃないんだよね。

「何をもって人がそれを信仰してるか」とか教義は少し知りたいかも。

 

f:id:rightuncle:20200725123835j:plain  ほどほどにしてくださいね。

 

 

めちゃくちゃ心配してくれるけど大丈夫だからね?

なんなら今はぽんぽこちゃんねるを信仰してるから。

 

f:id:rightuncle:20200723084155j:plain  あぁ、さっき定例のタガメのミサをしていましたね。

 

 

かといって、僕は宗教自体は否定しないよ。

本当に生きてるのが辛い人の支えになってるのならそれは立派なことだし、別に誰が何を信仰しようが僕には関係ないからね。

 

どう生きるべきかを真剣に考えているなら別に外野の僕たちがとやかく言うことじゃないし。

 

f:id:rightuncle:20200725123835j:plain  でも、やっぱり無理な勧誘とかもある現状、印象が悪くなるのも分かる気がします。

そういうのを見ると、「神の教え」とか「人類の平和」とか以前に「組織としての目標」みたいなのが垣間見えてしまって、その人たちの一つの手段として利用されているような気がして疑ってしまうんですよ。

 

 

まぁ、大きな事件もあったしね。

 

 

f:id:rightuncle:20200723082909j:plain  宗教に興味のある角田さんにオススメの小説がありますよ。

それがこちら、『砂の王国』です!

 

砂の王国(上) (講談社文庫)

砂の王国(上) (講談社文庫)

  • 作者:荻原 浩
  • 発売日: 2013/11/15
  • メディア: 文庫
 

 

 

また唐突な紹介だね。

これはどんな内容なの?

 

f:id:rightuncle:20200723084155j:plain  はい! 以下あらすじです!

 

全財産は、3円。私はささいなきっかけで大手証券会社勤務からホームレスに転落した。寒さと飢えと人々からの侮蔑。段ボールハウスの設置場所を求め、極貧の日々の中で辿りついた公園で出会った占い師と美形のホームレスが、私に「宗教創設計画」を閃かせた。はじき出された社会の隅から逆襲が始まる!

 

f:id:rightuncle:20200723082909j:plain  よくある、「宗教に入ってどうのこうの」という巻き込まれた側のお話ではなく、「宗教を立ち上げてしまおう」という巻き込む側を俯瞰的に見た作品です。

f:id:rightuncle:20200723083828j:plain  上下巻ありますが、上巻がホームレス脱却篇、下巻が新興宗教暴走篇とでもいいましょうか。どちらも盛り上がるポイントが複数あり、二冊の長さを感じさせない素晴らしい作品です!

 

 

アマちゃんはどこでこういう本を見つけてくるの?

 

……まぁ、いいや。

 

で、ホームレスの人が新興宗教を立ち上げるって無理でしょ。

何か勧誘されても「いや、貴方はその神に救われてないじゃん」って思っちゃうよ。

 

 

f:id:rightuncle:20200723082909j:plain  そうなんですよ。ホームレスのままなら無理な話です。

携帯も持っていないため職探しすらままならない状態で、そんなことを考えている場合ではありません。

 

 

f:id:rightuncle:20200723083617j:plain  しかし、主人公は証券会社の元エリート。

これまで膨らみに膨らんできたプライドを糧に逆転への野心を燃やし、またその計画性からまずはホームレスからの脱却を目指します。

 

 

あー。「ホームレスから脱却するために新興宗教を立ち上げる話」じゃないんだ。

 

 

f:id:rightuncle:20200723083828j:plain  はい。ホームレスであったことは一つのきっかけに過ぎず、主人公はその先を見据えていたんですね。

 

f:id:rightuncle:20200723082909j:plain  主人公はホームレス生活の中で二人の人に出会います。

一人は高身長、超絶イケメン、頭も悪くないにも関わらずホームレスとなっていた男。

ただ、どこかぼんやりとした印象で感情の起伏があまりないんですね。

その美形から、店の廃棄を貰いに行くことも容易で、どこか人を惹きつけるカリスマを主人公は感じます。

 

f:id:rightuncle:20200723083617j:plain  もう一人は占い師の男。

胡散臭い身なりの通り、ずる賢い人で、非常に優れた観察眼を使って生計を立てています。

一方で仏教などの宗教に通じており、教義の大切さを主人公に説くことも。

 

 

主人公とこの二人で宗教を立ち上げるのね。

でもさ、計画って言ったって最初はどうするの?

軌道に乗せるまでの方法とか、僕一切思い浮かばないんだけど。

 

 

f:id:rightuncle:20200723083311j:plain  まぁ、それは読んでみてのお楽しみです。

いかにして宗教を軌道に乗せるか、乗せた後に一体何をするのか、っていうのが見どころの一つですから。

 

 

へぇー、なんだかおもしろそう。

読んでみた感じはどう?

 

 

f:id:rightuncle:20200725123835j:plain  んー……。「だろうな」って感じです。

展開が読めるとかそういう話ではなく、因果応報といいますか、自分のしてきたことは結局自分が後始末をしなきゃいけないんだよなぁ、っていう当たり前のことを改めて痛感させられますね。

 

f:id:rightuncle:20200723084155j:plain  まぁ、すごく面白いことに変わりはありません。

ホームレス脱却といい、一つ一つの壁が想像以上に高いのにそれを乗り越えていく主人公たちは見ていて気持ちがいいんですよね。

 

ふーん。

ちょっと読んでみようかな。

 

f:id:rightuncle:20200723083828j:plain  おすすめです。

あと、もしヨガ教室で空中浮遊している人がいたら気を付けてくださいね。

 

 

一体何の話?

言われなくても警戒するでしょ。

 

f:id:rightuncle:20200721182235j:plain  ふふ、そう思うじゃないですか?

でも、ここで「警戒する人」と「魅入られてしまう人」が分かれるんですよ。

前情報なしに実際見てしまった場合、後者に傾く人も結構いるんです。

 

f:id:rightuncle:20200723082909j:plain  オカルトみたいな「得体の知れないもの」って、人は大なり小なり憧れを抱くものですから。

角田さんだって怪談とか好きでしょう?

 

 

好きだけどさ……。

うん、じゃあ空中浮遊してる人には気を付けるよ……。

 

 

じゃあ、ヨガ教室に行ってきます……。

 

 

f:id:rightuncle:20200721182528j:plain  !! ちょっと待ってください! そこって大丈夫なところですよね!!!???

 

 

 

以上。