皆さん、ジャンプ漫画「BLEACH」にて一護が教室を抜け出したときのことは覚えているでしょうか。
そう、「便所っス!!」のあれです。あのときは織姫がついてきましたね。
かく云う僕も授業中の教室を抜け出したことがあります。
ただ、決して虚が出現して退治に飛び出したわけではありません。
今回はその時の話をしたいと思います。
これは僕が小学校低学年のときの話です。
時間は一時間目の途中。先生は次の二時間目の説明をしており、二時間目には学芸会の練習が入っていました。ちなみに、学芸会では劇をすることになっています。
説明されていたのは、休み時間の間に少し広いホールのような教室に移動するというものでした。そして、その学芸会の主役の人は衣装の帽子を忘れずに持っていくように、と。
このとき、僕は非常に焦っていました。
僕はその劇の主役(まぁ、十数人いる内の一人なのですが)でした。
なので今先生に言われたように帽子を持っていかなくてはいけません。しかし、その帽子が手元にありませんでした。
実は一時間目には手元にあるようにと言われていたのを忘れていた僕はその帽子をどうするのか考えていたのです。
決して家に忘れたわけではありません。帽子は学校にあります。
なぜかその帽子は学校保管になっており、2年1組の前の長机に置いておく決まりになっていました。図に表すとこんな感じです↓
僕は2年3組だったので、見て分かる通り教室一つ分離れていますね。
皆さんだったらどうしますか?
まぁ、普通なら一時間目が終わったタイミングで急いで帽子を回収し、二時間目の教室に行きますよね。
しかし、僕はそうしませんでした。
僕たちの学年は常に廊下に並び、整列して教室移動する決まりだったのです。
小学校二年生、僕たちからしたら「列を乱す=死」でした。そんな僕が休み時間に整列せず、帽子を取りに行くことなんか最悪手のように感じていました。
それに、休み時間に取りに行くと、一時間目に帽子を持っていなかったことが担任の先生にバレて怒られるかもしれません。
……という不安から、休み時間に取りに行く以外の方法を探していました。
僕の教室には主役がもう一人おり、そいつも授業始めに帽子を持っておらず焦っていたはずです。
……と思い、僕は後ろにいるそいつと相談しようと振り向きました。
「え!? 帽子ある!? なんで!?」
なぜかその友達の机の上には帽子があったのです。
手品を見ても素直に驚かない天邪鬼な僕も、これには仰天しました。
そして、その友達の話を聞くとこっそり後ろの扉から教室を抜け出して取ってきたらしいのです。
この辺の記憶がすごく曖昧なんですが、それに従って僕も同じように教室を抜け出し、帽子を取って戻ってきました。
どうして先生に見つからなかったのかは分かりません。ただ、僕が廊下に一番近い席だったことがいい方向に働いたことは確かです。
そして僕は帽子を手に、皆と一緒に並んで練習の教室に向かっていったのでした……。
と、ここで話は終わりません。
練習の教室に着き、早速練習が始まりました。
割と長い劇で、僕の出番は中盤頃でした。
自分の出番までは特にすることがなく、何となく教室を見渡してみました。
そこで僕はあることに気が付きました。
「僕以外、主役の奴がこの場にいない……?」
なんだろう、この感覚。なにかがおかしい。
僕は動揺していました。
先程も言った通りこの劇は長いので、複数人の主役を立てています。つまり僕以外に主役を演じる友達が十数人いるはずなのです。そして今は劇の練習中。主役がこの場にいなきゃいけないはず。
そのいるはずの人が、同じ教室にいたあいつ含め、この場にいない。
そして、主役の登場する場面がガンガン省略されていくので僕は確信しました。
僕はここにいちゃいけない存在であることを。
すぐに演技指導をしていた先生(担任の先生ではない。2年1組の先生)に聞いてみました。「先生、主役のみんなはどこにいるんですか?」
すると、「え? 主役は2年1組に集合だけど?」と返ってきました。
なんということでしょう。
僕が知らない情報を当たり前のように言われてしまいました。
とにかく、僕はその教室を飛び出し、2年1組に走っていきました。
そして、到着すると中にいたのは主役の十数人と不機嫌な表情を見せている担任の先生。どうやら主役の人はここで帽子以外の衣装を身に着けてから練習に参加するようだったのです。人数が足りず、僕が戻ってくるのを待っていたらしいです。
この「主役は2年1組に集合」っていうのは僕が帽子を取りに行っていたときに言っていたようでした。
だから、僕が教室を抜け出さなければこんなことにならなかったのです。
その後、僕はしこたま怒られました。
内容としては「どうしてさっき言ったのにあっちの教室に行っちゃうの!」ということ。
僕が「教室抜け出して帽子を取りに行っていたからです……」とバカ正直に告白したからさあ大変。あやうく主役の座を下されるところでした。
という、小学校のときにバカやった話です。
今思い出せば笑えるんですが、当時は「デスノート」の夜神月みたいな焦り方してました。
皆さん、なにかヘマをしたときは焦らず素直に失敗を認めましょう。
そして反則だけは絶対やめましょう。
以上。