「世界滅亡前の行動一覧表」が欲しい

今回はくだらない話の後に本を紹介します。

 

 

滅亡前は何する?

小学校の時とかよく聞かれませんでした?

「明日世界が滅亡するとしたらなにする?」って。

めちゃくちゃくだらない質問ですよね。だってよっぽど滅亡しないし。

なので、今回は滅亡しないことを前提に話します。つまりは冗談です。

本当に滅亡することになったとしても「不謹慎な記事だ!」って言わないでね。

僕が話しているのはギャグマンガみたいなコミカルな滅亡です。

 

ちなみに昔、僕は「部屋で座ってる」と答えていました。

皆が「お金を全部使う」とか「超高級な料理を食べる」とか言っていたので「逆にウケるかな」という邪な心でそう答えました。小学校のときは割とウケてたと思います。

 

で、本題です。

「世界滅亡前の行動一覧表」見てみたくないですか?

イメージとしては以下の感じ。

  • 家族と過ごした             ・・・52億6784万291人
  • 美味しいもの、好きなものを食べた    ・・・38億709万5948人
  • 何一つ変わらない生活を送った      ・・・15億785万2991人
  • 全裸で外に出た             ・・・743万7564人
  • ニベア風呂を作った           ・・・1832人
  • トイレの水をがぶ飲み          ・・・15人
  • 「アクションビーム!」と叫んで失禁した ・・・1人

みたいな。

「家族で美味しいものを食べた」とかは「美味しいもの、好きなものを食べた」と「家族と過ごした」にそれぞれ集計されている設定です。

例なので項目が少ないのですが、本当にこの一覧があったら薄い小説一冊くらいの文量になってしまうのではないでしょうか。

 

まぁ、ぶっちゃけ僕が見たいのは、表の中の下から3つみたいな「世界人口0.000001%未満の人がしたこと」なんですよね。

「世界が終わる前にするのがそれ!?」みたいなのを見て酒を飲みたい。

めっちゃ高い栄養ドリンクとか飲んでたら「あ、こいつ本気で一日満喫しようとしてたんだな」と笑えるし、さっきの表にあった「トイレの水をがぶ飲み」とかだったら「どういう欲望抱いて生きてたんだよ!」と笑えます。

僕の性格が悪さが伺えますね。

 

これは「世界が明日終わるとしたら何する? という質問の返答リスト」じゃありません。「世界が滅亡するときに『したこと』リスト」です。

なぜそうするのかというと、ウケを狙ってくる寒い答えを見たくないからです。

さっきの僕みたいな「部屋で座ってまーすwwww」みたいなのね。

あと、「したことリスト」よりも分厚くなりそうで嫌。

 

ただ、これは絶対に見ることができないんですよね……。

だって世界が滅亡したら僕も死んでるし……。

だからこそ憧れます。

 

こういうこと言ってる僕みたいな奴ほど、変な行動するんですよね。

さっきの表の下3つみたいな。

まぁ、自分が「アクションビーム!」と叫んで失禁してたら、その瞬間正気に戻って笑ってしまいそうですけど。

 

一方で、「滅亡を食い止めるために奮闘する」とか「人に告白する」とかは物語性が高いですよね。生でその現場を見てみたいです。

特に「最後に言えなかった気持ちを伝える」とかは美しくて好きです。

滅亡に際した「人への想い」って映えますよね。「ずっと持っていた想いを伝えられた」って喜びと「あ~、気持ち伝えても滅亡しちゃう~」っていう切なさがなんともいえない気持ちにさせてくれます。

 

恐らくこれはホラーにも共通した「読み手が安全だからこそ楽しめるもの」なんでしょう。僕は読者故の愉悦に浸るのが好きなのかな?

 

 

『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』超いいぞ

僕が去年買ったラノベです。

ラノベは普段あまり読まないんですが、タイトルが良くて買っちゃいました

 

出版は2008年と少し前になりますが、とにかく設定と主人公たちの行動が良い。

wikipediaのあらすじを載せます。

 

喪失症が蔓延し、少しずつ記憶と記録が失われる世界。少年と少女は、一台のスーパーカブで旅をする。はるか遠い世界の果てを目指して――。

少年と少女の旅の日々を描く。

 

要は、「人が存在していた事実」ごと消えてしまう病気が蔓延している世界で、主人公たちが最後に選んだ行動が「世界の果てを目指して旅に出ること」だったということです。

それも、食料問題に突き当たったりスーパーカブを騙し騙し乗っているのが妙にリアル。

あと、登場人物全員が普通名詞で呼び合うのも趣があってよろしい。

 

基本的にはその旅で出会った人との交流や少年と少女のやりとりを楽しむものなのですが、設定が設定なだけに「常時切ない気持ちを抱えて読み進める」という新鮮な体験ができます。

また、設定に反してお涙頂戴の湿っぽい描写があまりなく、晴やかな空気で進行していく様はまるで草原に立った廃城を見ているような、爽やかなものです。

読後感もさっぱりとしていていい。

 

「明日から僕もがんばろう」と思える素晴らしい一冊でした。

 

「うわ、そのタイトルの雰囲気好きだな~」という人、ぜひ読んでみてください。

絶対に裏切りません。

 

amazonのリンクも貼っておきます↓ 

旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 (電撃文庫)

旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 (電撃文庫)

 

 

表紙の青空もまた趣がありますね。

 

以上。