取り返しのつかない過去を持つキャラっていいよね

 

突然ですが、「取り返しのつかない過去を持つキャラ」っていいと思いませんか?

 

特に、愛する者の死を経験した後も亡き人にすがり続けるキャラとか最高です。

 

そうですね……例えば……

 

「ひそかに想いを寄せていた姫を守り切れず目の前で殺された騎士」

とかかな。

追加として、

「そのショックから人の心を失い、姫の敵討ちのみを生きる目的として虐殺を始める」

とか、

「彼の使用する大剣に姫を模った彫刻が埋め込まれていて、その大剣を自分の身よりも大切に扱う」

とか、

「姫の彫刻を壊された際に、姫が殺された記憶がフラッシュバックして発狂する」

という設定までついていたらもうたまらない。

 

ポイントは「決して姫は戻ってこない」ってことですかね。「復活の儀式のために奮闘する」というのもいいんですが、個人的には「二度と会えない姫を想いながら闘う」というのがマストです。

 

この状況に近いのが「ナルト」におけるサスケ君なのですが……彼は「それに気づくまでに時間かかりすぎ」っていうのと「割とまんざらでもない生活を送っていた」というのが引っかかって、僕としてはあまり高揚しないんですよね。

 

僕としては、その出来事で全てを失ってほしい。

そしてその後も心の空白を埋めるものができないでほしい。

 

あと、そのショックで生まれる感情が「怒り」に振れすぎているのもコレジャナイ感があります。

だから、「ハンターハンター」のクラピカもちょっとこれには当てはまりません。

大部分を占めるのは「悲しみ」と「虚無」であってほしい。すると、「怒り」が際立っていい味が出るんですよ。その味の出汁でスープを作ってラーメンにしてほしい。

 

 

もっと例を出すなら、「天才ピアニストの指」とか「ずっといっしょにいた明るい双子の姉」とか「画家の視覚」とかです。これらを失ったときのショックは計り知れないでしょう。

例を挙げていて思ったのは「自身のアイデンティティに深く関わるもの」を失うのが重要なのでしょうね。

 

こういう過去を持ったキャラクターってのは、行動に深みがあるんですよ。

先の例の「ずっといっしょにいた明るい双子の姉」を失った妹でいうならば、「時々亡き姉の振る舞いを真似して自己に姉の影を投影する」とか、重要な場面の前に「いくよ、お姉ちゃん」と小さく呟くとか。

……ちょっと中二病くさいかな。

 

もうこれは僕の性癖なのでしょうね。

かなりこじらせているなと自分でも思います。

 

あ、勘違いしてほしくないのは、あくまでこれは「物語の登場人物の話」であり、現実でもそういった「心の闇を持った人が好き」っていうわけではないということです。

現実世界の「いい味が出て深みがあるもの」はラーメンだけで十分です。

 

以上。