アルバイトとかにおいてはマニュアルって便利ですよね。
人に聞く手間の大部分を省けるというメリットの反面、イレギュラーに弱くなるといったデメリットもありますが、まぁ、新人に渡しておいて損はないものでしょう。
ただ、「我々に責任を押し付けるために配布されるマニュアル」もあるのではないでしょうか?
まぁ、マニュアルに書いてあることを繰り返し聞くと「マニュアルに書いてあるだろ!」って言われるし、それを聞かれたら言いたくなりますよね。
ただ、今回述べたいのはそういった「現場での問題」ではなく、組織のもっと根幹の部分。「本部と現場の問題」について書いていきたいと思います。
まぁ、一個人の感想なのであまり本気にならず読んでください。
では、僕がアルバイト先で感じたことを文章にしていきたいと思います。
店を特定されないためにかなり曖昧なものになりますが、悪しからず。
僕はとある飲食店にてアルバイトをしています。
そこは割と規模の大きいフランチャイズ経営で、全国的にお店を展開しています。
そのため、アルバイトとして採用された際は「ここはこんなお店です。こういった振る舞いをしてください」といったような、マニュアルが配られます。
書いてあることは「接客の心得」や「身だしなみについて」などから、「こう聞かれたときにはどうすればいいのか」「クレームの対応方法」等、かなり詳しいものが載っていました。
正直、新人のときはかなりこのマニュアルに助けられました。
お客さんがあまり入ってこない時間帯は少人数で店を回すこともザラにあるため、「人に聞かずともだいたい書いてある」というのは本当に心強かったのです。
そのうち経験が重なってくると、マニュアルの業務は全て頭に入ります。こうして、一人前の店員となるのです。
しかし、働いていて一つ疑問を抱きました。
「マニュアルに書いてあること全部やるの無理じゃね?」
※これから書く例は架空のものです。
例えば、「一時間に一回トイレの点検をしましょう」。
確かに、トイレが綺麗な店は客入りがいいはず。お客さんのことを考えたら是非実行しましょうね。
例えば「お客様のご注文品を提供することを最優先しましょう」。
これは大事ですね。お腹が減ってるとイライラしやすいものです。早くお客さんのお腹を満たしてあげてください。
例えば「バッシング(テーブルの片づけ)は~~~して、~~~した後、~~~~して、消毒も同時に行いましょう」。
飲食店に行って汚いテーブルに案内されたら誰だって嫌ですよね。マニュアル通りにやるとバッシングに2、3分かかるけど仕方ないですよね。
例えば「食中毒を出したら危険です。ホールの人も30分に一回、1分以上手を洗いましょう」
まぁ、30分に一回は神経質かもしれないですが、これを行えば店員から感染することも減るでしょう。
例えば「食器の補充は欠かさないようにしましょう。定期的に席を見て回ってください」
これも大切。
例えば「20分に一回、お水がないお客様がいないか見て回りましょう」
大事。
例えば「3時間に一回、外を掃除してください」
例えば「お客様のお話はしっかりと聞き、その上で対応しましょう」
例えば「レジでは~~と言い、クーポンの有無を確認した後、お札は3回以上数え、レシートをご利用になるのか尋ね、お見送りのために扉を開けてあげましょう」
お客さん10組「来たで」
お店「ワンオペで頼むわww」
「いや無理無理無理!」
一つ一つ言ってることは分かるけど、全部合わせたら「右を向いてるときに左を向け」って言われているようなもんだろ。
有名な漫画の「ナルト」の、カカシ先生は、影分身で二人になり片方は右を、片方は左を向いてその問題を解決できることを説いていました。
そう、カカシ先生の示した通り、このマニュアルも人数がいれば問題ないのです。
でもいないんです。「その時間に来る予想客数」にギリギリ対応できる人数しか配置しないため、お客さんを対応していたら省略せざるをえない工程がわんさか出てくるのです。
「それって店の上司が悪くね?」と思うでしょう?
「シフトを組む店の上役が悪いじゃん。売り上げ伸ばすために人件費ケチりやがって。本部は悪くないじゃん」と……。
ただ、僕の上司には別のルールがあったのです。
本部「売り上げと人件費の割合でお前を評価するで。良い成績出さなきゃ怒鳴り散らすから覚悟してやwww」
こんなこと言われたら「その時間に来る予想客数」を基準に配置するしかないでしょう。
回り回ったその結果、現場で省略せざるをえない肯定が発生し、トラブルにつながっていきます。
ここでは「本部は現場のことは分かってない」みたいなことを言いたいのではないです。
多分、僕の店の本部は全部分かっているのだと思います。
とういうのも、他の店で事件があった際には100%「工程を追加します」という本部からの連絡が回ってくるのです。
システムやルールを変更するのではなく「工程の追加」です。やることが増えます。
そんなことを長年続けていたのか、今では僕の店では「大人数でも省略せざるを得ない工程」というのが割とあります。
では、なぜそんなことをするのか。
まぁ、ほとんど僕の想像ですが。責任を分散するためなのではないでしょうか。
お客さんがお店でトラブルにあった。大事になってしまった。
本部としては対応せざるをえないこともあるでしょう。問題によっては沽券に関わります。
そこで一言「うちでは○○といったルールを設けているのですが……」と、そういった問題に向けた対応をしていることをアピールします。
勿論、本部の責任がなくなるというわけではないのですが、その問題を起こした店、一店員が「ルールに従っていなかった」ということで責任の大部分を担がせることができてしまいます。
一人の店員としては、工程の追加を安易にするよりも、その店舗の集客等の条件に合わせたルールを臨機応変に設けるのがいいと思っております。
まぁ、本部が全国各地に広がる店の実状を把握するのは無理があります。だからこそ、エリアマネージャーや店長など、「店舗に近い立場の者」の意見をとり入れ、考慮することが必要なのではないでしょうか。
もしくは、「ルール自体のスマート化」ですかね。先の例「30分に一回一分以上手を洗う」なら、「30分に一回、ワンプッシュのアルコール消毒する」など、工程に要する時間を短縮することで解決できるのではないでしょうか。
では、なぜこういったことが言われないのか。(よく知らないだけで言われているのかもしれませんが……)
それは皮肉なことに、「マニュアル」の存在が多くの小さなアクシデントを撲滅しているからです。
騒がれる可能性のある致命的なアクシデントなんてそうそう起きませんから、そういったものを問題視する声があまりあがらないのではないでしょうか。
まぁ、本部としてもアクシデントを起こされないことに越したことはないと思うので、特に「業務のスマート化」に力を入れて欲しいと僕は思います。
まぁ、僕はアホな1アルバイトですので、本部の深い考えまでは読めません。
僕に物申したいと言う人もいるでしょう。僕のようなアホが同じように思っている可能性があるので、あなたが経営者であるなら、その深い考えを僕に言う前に店員にしっかり伝えた方が良いと思います。
マニュアルが分厚いのは、本部側が私たちを気にかけてくれている証拠です。
しかし、内容で「これ無理がないか.......?」という違和感があったら注意が必要です。