地獄の一丁目:ハイパー☆もやしパーティー 前編

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はじめに

この「地獄巡り」タグは、僕がこれまで味わった地獄のような出来事について語りたいと思います。これ以降は「二丁目」「三丁目」……のように続いていきます。

そういった出来事がなければ最悪この一丁目で終わりです。

 

 

 

事の発端

さて、記念すべき一丁目。

これは僕が高校生の時のお話。

 

ある時、僕の友人(以下「リッチ」)がアニメ「アイドルマスター」の高槻やよい、通称やよいちゃんの登場する回を思い出して一言発した。

 

「俺、やよいちゃんみたいにもやし食べたい……」

 

誤解しないでください。リッチの頭は正常です。

というのもこのやよいちゃん、設定では兄弟が多い上に貧乏というもので、その兄弟と仲良くもやし料理を食べる、といったシーンがあるのです。

リッチの言っているのは、そういった「ワイワイとみんなでもやしが食べたい」ということだったのです。高校生ですから、みんなで食材を持ち寄って料理するなんて機会はそうそうありません。なので、この時の僕はとてもわくわくしていたものです。

僕がつるんでいたグループは9~12人という大人数で、その中のリッチと僕含めた7人が参加することになり、当日を迎えました。

 

 

 

当日

さて、その日言われていた持ち物は「もやし3袋」。7人×3袋で21袋集まることになります。かなり多いように思えますが、結局は一人3袋食べればいいだけなので、僕は特に心配もせず、気を遣って少し高いもやしを3袋、リッチの家に持っていきました。

 

そこで僕は友人たちに少し責められます。

「なんで3袋しか持ってこないんだよー」と。

 

お前らが3袋持って来いって言ったんだろうが!

 

見ると既にリッチの家にいた4人(リッチ含む)は4袋以上持っていました。多い奴で6袋。

いやいやいや、もやしよ?

飽きが来てもお前はもやし6袋食べるんだよ?

……と、思いましたが、彼らは食べ盛りの男子高校生。そういう無茶もしたい年頃なのでしょう。確かにもやし3袋でお腹いっぱいになるのかわからないし、そいつが食べられなかったら僕が食べてやろう。と「やれやれ」といった風に残りの2人がやってくるのをリッチの家で待っていました。

 

そして、その2人は一緒にリッチの家にやってきました。

片方(以下「バカ」)は悪戯っぽく笑いながら。もう片方(以下「カメラ」)は申し訳なさそうな顔で我々の前に姿を現しました。

……まぁ正直、彼らの表情なんか見ておらず、バカの持っている巨大なゴミ袋に釘付けだったので、恐らくそういう顔をしていたなという印象しかありませんが。

 

 

カメラは言います。「ごめん、俺、止められなかった……」

 

 

 

 

 

 

この言葉が何を意味しているのか、そのゴミ袋が語っていました。

 

 

 

 

バカ「今日27時間テレビやってたから、27袋買ってきたわ!」

 

 

 

 

…………アホだ。

 

 

――と唖然とする者はなく、こういったイベントでテンションの上がっていた僕たちは爆笑しながらもやしを机に並べました。

 

 

 

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画質が荒いんですが、これが当時の写真です。

 

数えてみると56袋ありました。

 

また、ホットプレートで調理することになっていたので、もやしの後に焼きそばでも作るか、とベーコンなどの具材もあります。

真ん中に刺さっているゴーヤは、ゴーヤチップスを作るために持ってきていたらしいです。

この圧倒的量。一人8袋食べる計算。

もう笑うことしかできません。

 

そうしたハイテンションのまま、僕たちはこの地獄に足を踏み入れるのです……

 

 

あれ、意外といける……

一応油を引いて、まずはもやしを3袋投下。温めておいたホットプレートが心地よい音を立てます。

この時はだいたい昼の12時でしたので、お腹を空かせた僕たちは紙皿と割りばしを手にして、もやしが柔らかくなるのを待ちます。

 

味について、飽きが来るだろうと思っていた友人(以下「坊主」)はポン酢やソース、焼き肉のたれなどを持参していました。坊主は普段から料理をするので、こういうときはかなり心強い味方です。(ゴーヤ持ってきたのもこいつ)

 

そして、ホットプレートに調味料を入れ、味付けを行います。この時点ではかなりいい匂いがしていました。

 

そして実食。

 

 

「うまい!」

 

という声が7つ。お腹が減っていたのもあってか、ホットプレートのもやしはみるみるなくなっていきました。

僕以外のみんなも思ったはずです。

「あれ、意外といけそうだな、これ」と……。

 

 

 後編に続く。

 

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